【最新】カスハラ対策の義務化はいつから?中小企業も対象!罰則とやるべき4つの義務

【最新】カスハラ対策の義務化はいつから?中小企業も対象!罰則とやるべき4つの義務

「ニュースで2026年からカスハラ対策義務化と見たけど、2025年4月という話もある。結局、いつからなのか?」

「中小企業も対象になるのか? 罰則はあるのか?」

情報の錯綜に、頭を抱える担当者も多いはずです。しかし、迷っている時間はありません。

結論、企業の対応期限は以下の2点に集約されます。

  1. 2025年4月1日: 東京都の防止条例が施行(実質的に多くの企業に影響)
  2. 2026年10月1日: 国の法改正により、全国すべての企業で対策が完全義務化

「まだ先の話だ」と高を括れば、取り返しのつかない事態を招きます。条例施行を機に世間の目は厳しくなり、対策なき企業は「従業員を守らないブラック企業」として即座に淘汰されてしまいます。

この記事では、最新の法改正スケジュールを整理した「対策ロードマップ」と、企業が今すぐ着手すべき「4つの義務」を徹底解説します。

曖昧な情報に振り回されるのは、これで終わりにしましょう。

【2025年最新】カスハラ法律改正で何が変わる?企業が今すぐ取るべき対策と罰則ガイド

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目次

カスハラ対策の義務化のスケジュールと対象範囲

カスハラ対策の義務化のスケジュールと対象範囲

スケジュールの全体像を整理します。重要なのは、「東京都の条例」と「国の法律」という2つの波を理解し、使い分けることです。

【2025年4月1日】東京都「カスタマーハラスメント防止条例」施行

直近で対応が必要なのが、全国初の東京都条例です。 「地方企業だから関係ない」は大間違いです。

この条例の対象は、「都内の事業者」に留まりません。「都内で業務を行う全ての事業者」が含まれます。本社が地方でも、東京に出張所がある、東京の顧客へ配送業務を行う、オンラインで注文を受ける場合、条例の適用範囲となる可能性が高いのです。

  • ポイント: 罰則規定はありませんが、「何人も、あらゆる場において、カスタマーハラスメントを行ってはならない」という禁止規定が明記されました。
  • 影響: 企業は「都の指針」に基づき、カスハラ対策(マニュアル作成や周知など)を行うことが努力義務として求められます。

(参考:東京都産業労働局「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」

【2026年10月1日】国の法改正により「全国で義務化」へ

本丸となるのが、厚生労働省が進める法改正です。 最新の方針では、2026年10月1日からの施行を目指し調整が進んでいます。

これは「努力義務」ではなく、法的な「義務」です。 労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)などが改正され、セクハラ・パワハラと同様、事業主には以下の措置が義務化されます。

  1. 相談体制の整備
  2. マニュアルの策定・研修の実施
  3. 被害者のケア・プライバシー保護
  4. 不利益取扱いの禁止

対象は「すべての中小企業を含む全事業者」です。「小さい会社だから関係ない」という言い訳は通用しません。公務員や介護現場など、深刻な被害がある分野も含め、社会全体での対策強化が求められています。

(参考:厚生労働省 第87回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 資料

なぜ「今」から準備が必要なのか?

「2026年まで待てばいい」は危険です。理由は2つあります。

  1. 世論の変化: 2025年4月の都条例施行を機に、「カスハラは許されない」という社会的気運が一気に高まります。対策なき企業は、顧客からも求職者からも選ばれません。
  2. 準備期間: ガイドラインの策定、社内ルールの変更、従業員研修など、実効性のある体制構築には最低でも半年〜1年かかります。

いつから本格化するかを見据え、泥縄式に対応するのではなく、今から段階的に準備を推進することこそが、賢明なリスクマネジメントです。

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そもそもカスタマーハラスメントの定義とは?【厚労省基準】

そもそもカスタマーハラスメントの定義とは?【厚労省基準】

次に直面するのが「どこからがカスハラか?」という線引きの問題です。

現場からは「お客様の要求を断ったらクレームになるのでは?」と不安の声が上がります。 ここで重要なのが、厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」で示す「3つの判断基準」です。

カスハラとは?カスタマーハラスメントとクレームとの違いをわかりやすく図解!

判断の軸となる「3つの要素」

カスハラか否かは、単に「相手が怒っているか」ではありません。以下の3要素を総合的に見て判断します。

  1. 要求内容の妥当性: 「商品欠陥の交換」は妥当ですが、「土下座しろ」は妥当性を欠きます。
  2. 手段・態様の相当性: 要求内容が正当でも、大声で怒鳴り続ける、長時間居座る行為は、**手段として不相当(アウト)**です。
  3. 労働者の就業環境が害されること: 従業員が恐怖を感じ、業務に支障が出ている状況です。

特に重要なのは「2. 手段・態様の相当性」です。 たとえ自社にミスがあっても、顧客が暴言や脅迫を用いて良い理由にはなりません。このロジックを全従業員に周知することが、対策の第一歩です。

(出典:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」

どこからがアウト?具体的な「該当行為」リスト

抽象的な定義では現場は動きません。 マニュアル作成時は、以下のような具体的な言動を「レッドライン(警察通報等の基準)」として明記してください。

  • 身体的・精神的攻撃:
    • 殴る、蹴る、胸ぐらを掴む(暴行罪)
    • 「死ね」「殺すぞ」「バカ」などの暴言(侮辱罪、脅迫罪)
    • 土下座の強要(強要罪)
  • 過大な要求:
    • 規定外の返品・交換の要求
    • 不当な金銭要求(慰謝料100万円など)
    • 「社長を出せ」などの執拗な特別扱いの要求
  • 継続的・執拗な言動:
    • 長時間(例:30分以上)の居座りや拘束
    • 業務時間外や休日の執拗な電話・SNS連絡
    • ネットでの誹謗中傷や個人情報の晒し

「正当なクレーム」との境界線

「カスハラ対策をすると、真っ当な意見まで無視してしまうのでは?」という懸念は誤解です。

  • 正当なクレーム: 商品・サービスの不備への指摘、改善要求。(企業にとって有益な情報)
  • カスハラ: 要求内容が不当、または手段が攻撃的で、従業員を傷つける行為。

「お客様の不満には真摯に向き合う(傾聴)。しかし、手段が一線を越えた瞬間に、毅然として対応を打ち切る」 このメリハリこそが、2025年以降のスタンダードな接客姿勢となります。

カスハラ対策

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2026年のカスハラ対策の義務化に向けて企業が講ずべき4つの措置義務

2026年のカスハラ対策の義務化に向けて企業が講ずべき4つの措置義務

カスハラ対策の義務化の内容として、企業に求められる対策は大きく4つ。 これらは、パワハラ防止法ですでに義務化されている内容とほぼ同等レベルです。

今のうちに以下の4点を整備しておけば、法改正時に慌てることはありません。

1. 【体制整備】相談窓口の設置と周知

従業員が「カスハラを受けた」と感じた時、すぐに相談できる場所が必須です。

  • 窓口の設置: 人事部などの社内窓口だけでなく、弁護士やEAP(従業員支援プログラム)などの外部窓口を設けるのが望ましいです。現場の上司に相談しにくいケースもあるためです。
  • プライバシー保護: 「相談したことが同僚や加害者にバレないか」という不安を取り除くため、秘密厳守を徹底し、その旨を周知します。
  • 不利益取扱いの禁止: 相談を理由に、解雇や降格などの不利益な扱いをしないことを規定に定めます。

2. 【事前対策】マニュアル作成と社内研修

「現場の個人任せ」にしないことが、組織対応の鉄則です。

  • 対応マニュアルの策定: 前章の「カスハラの定義」や「警察通報の基準」、具体的な「応対トークスクリプト」を文書化します。
  • 従業員研修の実施: マニュアルを配るだけでは無意味です。「毅然と断る練習」や「怒鳴られた時の精神的防衛術」など、実践的な研修(ロールプレイング)を定期的に行う必要があります。

3. 【事後対応】事実確認と迅速な措置

実際にトラブルが発生した際、会社がどう動くかを決めておきます。

  • 事実関係の調査: 従業員と顧客の双方から話を聞く(録音データ等の確認)。
  • 被害者への配慮: 一人で対応させず、複数名で対応する、または担当者を交代させる。
  • 加害者への措置: 悪質な場合は、「出入り禁止(取引停止)」を通告したり「警察への被害届提出」**を行ったりするなど、組織として毅然とした措置を講じます。

4. 【再発防止】被害者のメンタルケアと職場環境改善

被害を受けた従業員を放置してはいけません。

  • メンタルケア: 産業医との面談手配や、カウンセリング費用の補助など、心のケアを行います。
  • 原因分析と再発防止: なぜそのトラブルが起きたのかを分析し、再発防止策(マニュアルの改訂や設備の改善など)を講じます。

これらの措置は、「やった方がいい」レベルではなく、企業の「安全配慮義務」を果たすために不可欠な要素です。

(参考:厚生労働省『職場におけるハラスメント防止のために』)

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罰則はあるのか?カスハラ対策を放置した場合の3大リスク

罰則はあるのか?カスハラ対策を放置した場合の3大リスク

経営層から「罰則はあるのか?」と聞かれたら、どう答えますか? 現時点では、義務化違反に対する直接的な「刑事罰」は設けられない見込みです。

しかし、「罰則がない=やらなくていい」では決してありません。 対策を放置した企業には、罰金よりも恐ろしい「3つの実質的ペナルティ」が待ち受けています。

行政による是正指導と「企業名公表」のリスク

法改正後は、措置義務に違反した企業に対し、厚生労働大臣(労働局長)が「助言・指導・勧告」を行う規定が盛り込まれます。 さらに、勧告に従わない悪質な企業については、「企業名を公表する」という制裁措置が検討されています。

一度ブラック企業として公表されれば、取引停止や銀行融資への悪影響など、ダメージは計り知れません。

安全配慮義務違反による「民事訴訟」リスク

これが最も現実的かつ高額なリスクです。 もし企業が対策を怠り、従業員がカスハラ被害でうつ病を発症したり、自殺に追い込まれたりした場合、企業は「安全配慮義務違反」で訴えられます。

近年の判例では、企業側の予見可能性(カスハラが起きるとわかっていたか)と結果回避義務(マニュアル等の対策をしたか)が厳しく問われ、数千万円〜億単位の損害賠償を命じられるケースも珍しくありません。

(根拠条文:労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)

人材流出と「ブラック企業」認定による採用難

「従業員を守らない会社」というレッテルは、SNSや口コミサイトで瞬く間に拡散します。 特に人手不足が深刻なサービス業や介護業界において、既存スタッフの離職と新規採用の停滞は、「店舗の閉鎖」や「事業の縮小」に直結する致命傷となります。

カスハラ対策は、もはや福利厚生ではなく、「事業継続のための必須投資」なのです。

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カスハラ対策の義務化へ向けて|明日から使える対策ツールと進め方

カスハラ対策の義務化へ向けて|明日から使える対策ツールと進め方

最後に、実務担当者の方が明日からすぐに着手できる、具体的な対策ツールを紹介します。これらを活用して、まずは「形」から整備していきましょう。

トップの姿勢を示す「基本方針」の策定

まずはポスターやHPで、対外的に姿勢を表明します。 義務化を理由にすれば、角を立てずに掲示できるのがメリットです。

【ポスター文言案】

【カスタマーハラスメントに対する基本方針】 当店では、従業員が安心して働ける環境を守るため、**「カスタマーハラスメント防止条例(および関連法)」に基づき、以下の行為を固くお断りいたします。

  • 大声での暴言、脅迫、威嚇行為
  • 土下座の強要、人格を否定する発言
  • SNSへの無断投稿、盗撮

万が一、上記のような行為が確認された場合、即座に警察へ通報するとともに、以降のご来店をお断りさせていただきます。 何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

就業規則の改定ポイント(条文例)

就業規則にも、カスハラに関する規定を追加します。 ポイントは、「ハラスメントの禁止」だけでなく、「被害を受けた社員をどう守るか」と「加害者(顧客)にどう対応するか」を明記することです。

【条文例(服務規律への追加)】

(カスタマーハラスメントへの対応) 第〇条 会社は、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)により、社員の就業環境が害されることを防止するため、相談窓口を設置し、必要な体制を整備する。 2. 社員は、カスタマーハラスメントを受けたと感じた場合、速やかに会社(上長または相談窓口)に報告しなければならない。 3. 会社は、事実関係を確認し、悪質性が高いと判断した顧客に対しては、取引の停止や退去要請等の措置を講じる。

まずはここから!「自社の現状チェックリスト」

まずは自社の現状を把握しましょう。以下のリストで「×」がついた項目が、優先的に取り組むべき課題です。

  • [ ] トップの宣言: 社長や経営層から「カスハラは許さない」というメッセージが発信されているか。
  • [ ] 実態把握: 過去にどのようなトラブルがあったか、従業員アンケート等で把握しているか。
  • [ ] 相談窓口: 従業員が気兼ねなく相談できる窓口(担当者)が決まっているか。
  • [ ] 判断基準: 「どこからがカスハラか」の基準が現場で共有されているか。
  • [ ] マニュアル: トラブル発生時の対応フロー(誰に連絡するか)が文書化されているか。

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まとめ|カスハラ対策の義務化は負担ではない。「組織を強くする」好機と捉えて

まとめ|カスハラ対策の義務化は負担ではない。「組織を強くする」好機と捉えて

「カスハラ対策なんて面倒だ」「余計な仕事が増えた」 そう感じている方もいるかもしれません。しかし、視点を変えてみてください。

今回のカスハラ対策義務化は、これまで「お客様は神様」という呪縛に囚われ、理不尽な要求にも頭を下げざるを得なかった現場を救うための、国からの強力な「援護射撃」です。

「法律で決まったから、うちはもう不当な要求には従いません」 そう堂々と宣言できるようになったのです。

悪質なクレーマーを排除し、従業員が安心して働ける環境を整えることは、従業員のエンゲージメントを高め、結果として「善良なお客様へのサービス品質」を向上させます。

2026年の完全義務化を待つ必要はありません。今すぐ対策を始めることが、御社を「選ばれる強い企業」へと進化させます。

【あなたの会社が今すぐ取るべきアクション】

  1. 実態調査: 現場で起きているカスハラの事例を洗い出す。
  2. 基本方針の策定: ポスター掲示などで「カスハラお断り」の姿勢を対外的に示す。
  3. 専門家への相談: 自社だけではマニュアル作成や研修が難しい場合、プロの力を借りて最短距離で体制を整える。

従業員の笑顔と会社の未来を守るために、今日から一歩を踏み出しましょう。

カスハラにどう立ち向かう?弁護士の役割と具体的対策を徹底解説

カスハラ対策の義務化対応に不安がある担当者様へ。無料相談のご案内

「自社に合ったマニュアルをどう作ればいいかわからない」 「従業員向けの研修をプロに任せたい」

そのようなお悩みをお持ちの企業様へ、私たちはカスハラ対策の専門家として、無料相談を実施しています。

カスハラ関連の著書出版・講演多数の実績ある弁護士が、企業の抱えるハラスメント問題を解決致します。

カスハラやクレームにお困りの場合は、是非ご相談ください。

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