インターネット上の誹謗中傷・カスハラ対応ガイド①|クレームへの効果的な対処法

インターネット上の誹謗中傷・カスハラ対応ガイド①|クレームへの効果的な対処法

インターネットは誰もが情報を発信できる場所であり、SNSなど会員登録が簡単なプラットフォームも多く存在します。このような環境では、企業や個人に対するクレームがオンライン上で公開され、広く閲覧されることがあります。今回は、インターネット上で発生するカスハラやクレームにどのように対応すればよいか、その基本的な方法を見ていきます。

インターネット上の誹謗中傷・カスハラ対応ガイド②|効果的な対策と法的手続きの解説

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インターネット上のカスハラやクレームへの対応手順

インターネット上で起きるクレームやカスハラ(カスタマーハラスメント)に直面した際の対応手順は、一般的なクレーム対応の流れに基づいています。しかし、インターネット上のクレームには、その内容が公開され続けるという特有の問題が伴います。このような状況では、名誉毀損などの権利侵害への対応も必要となる場合があります。

また、インターネット上の情報は時間が経つにつれて変更されることが多いため、クレームの内容や関連情報は都度、正確に記録し、証拠として保持しておく必要があります。対応の流れを簡単に説明すると以下のようになります。

対応手順

確認:まず、書き込まれた内容をしっかりと確認しましょう。これは、通常のクレーム対応で行われる「聴取」にあたります。

記録・証拠化: 書き込みの日時、内容、URL、投稿者のアカウント名などの情報を、スクリーンショット機能を利用して記録し、保存してください。

調査: 書き込みの内容に基づいて、事実関係を客観的に確認します。

判定: 調査の結果をもとに、書き込みが自社に対して法的な責任を問うものであるか、または権利侵害があるかどうかを判断します。

回答: 判定の結果に基づき、必要であれば適切な回答を行います。

対処: 最後に、書き込みの削除や、必要に応じて民事・刑事上の措置を検討します。

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インターネット上の書き込みによる権利侵害のパターン

インターネット上の書き込みによる権利侵害のパターン

インターネット上での書き込みは、時に他人の権利を侵害することがあります。このような場合には、カスハラやクレームとして対応する必要があります。具体的には、以下のような権利侵害のパターンが考えられます。

例1: 個人への中傷

「A社のB店で働く佐藤さんは馬鹿だ」とインターネット上に書き込まれた場合、これは根拠のない中傷と見なされます。このような書き込みは、受けた方の名誉を傷つけるため、深刻な場合には民事上の不法行為として損害賠償を請求できるかもしれません。さらに、侮辱が重大なものであれば、刑事上の侮辱罪に問われる可能性もあります。

例2: 企業への虚偽の主張

「A社が賞味期限が切れた食品のラベルを付け替えて販売している」との虚偽の書き込みがあった場合、これは企業の社会的評価を損なうものです。実際にはそのような事実がなかったとすれば、この行為は名誉毀損や偽計業務妨害として、民事または刑事上の責任を問うことができます。

例3: クレーム対応中の従業員の写真がSNSに掲載

例えば、クレーム対応をしている従業員が土下座をしている写真や顔写真が、「A社の従業員(笑)」というコメントと共にSNSに投稿された場合、この行為は従業員の肖像権を侵害する可能性があります。このような場合には、民事上での不法行為として対処が可能です。従業員のプライバシーを守るため、このような写真の無断掲載は避けるべきですし、見つけた場合には削除を求めることができます。

これらの例からわかるように、インターネット上の書き込みには慎重である必要があり、誤った情報や不当な中傷を行うことは、重大な法的責任を伴うことがあることを理解しておくことが大切です。

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インターネット上の権利侵害への対応方法

インターネット上の権利侵害への対応方法

インターネット上での書き込みが会社や従業員に対する権利侵害であると判断された場合、通常はその書き込みに直接回答を行うことは避け、以下のような対処を考えることになります。

【権利侵害のある書込みに対する一般的な対処方法】
①書込みの削除,表示の停止
②書込者に対する法的責任追及(損害賠償請求,刑事告訴等)
③(②の法的措置の前段階として)投稿者の特定
④逆SEO、検索結果からの削除,表示順位の降下
※ 逆SEOとは、企業への中傷を目的としたサイトの検索順位を下げることで、不利益な情報の拡散を防ぐ手法です。これにより、インターネット検索結果から不適切な書き込みを下げることができます。

カスハラやクレーマーによる不当な書き込みに対しては、上記のような慎重かつ適切な対応が求められます。インターネット上での対応は、企業のイメージや評価に直接影響を与えるため、迅速かつ的確な手段を講じることが重要です。

インターネット上のクレームへの対応:書き込みの削除方法

自社ウェブサイトやSNSでのクレーム対応

自社のECサイトやSNSアカウントなど、自社で管理しているオンラインスペースにカスハラやクレーマーからの不適切なクレームが投稿された場合、大抵は管理画面から直接、そのコメントを削除したり、非表示にしたりすることができます。重要なのは、削除や非表示にする前に、証拠としてその書き込みのスクリーンショットを取っておくことです。安易に削除してしまうと、後で法的な対応を取る際に証拠が不足してしまう恐れがあります。

他社ウェブサイトでのクレーム対応

TwitterやFacebookのようなSNSや、5ちゃんねるのような掲示板など、他社が運営するサイトに不当なクレームが掲載された場合、そのサイトの削除ポリシーに従って削除を申請することになります。まずはサイトの規約を確認し、問合せフォームから削除を申請することが一般的です。しかし、投稿者がこの削除申請を知ると、反発してさらに問題を大きくする可能性があるので注意が必要です。また、投稿者の特定が必要な場合は、インターネットサービスプロバイダの通信記録保存期間にも注意しながら、発信者情報の開示を求める手続きを行うことがあります。

【他社ウェブサイト等における書込みの削除申請方法】
① ウェブサイトのフォーム等からの削除依頼
② 一般社団法人テレコムサービス協会のガイドラインに基づく送信防止措
置依頼
③ 裁判手続(削除仮処分,削除訴訟等)

インターネット上でのカスハラやクレーム対応は、企業のブランドや評価に直接影響するため、慎重にかつ迅速に行う必要があります。不適切な書き込みには適切に対応し、企業の信頼性を守りましょう。

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まとめ

インターネット上の誹謗中傷・カスハラ対応ガイド①|クレームへの効果的な対処法のまとめ

書込み内容が事実に即しているのか否か等の【確認】、【調査】、【判定】の手順は一般的なクレーム対応と同様に行うこと。

証拠化の方法,時間制限,削除請求,発信者情報開示請求を検討すべき点など,インターネット上のクレーム特有の配慮が必要な場合がある。

インターネット上のクレームやカスハラに適切に対処することは、企業の信頼性を保つ上で非常に重要です。自社管理下のウェブサイトやSNSに限らず、外部のプラットフォーム上での不適切な書き込みにも迅速かつ慎重に対応する必要があります。削除の申請、証拠の保全、さらには法的措置の検討など、様々な手段を講じることが求められます。これらの対応は、企業のブランドイメージを守り、顧客との信頼関係を維持するために不可欠です。

香川総合法律事務所では、カスハラ顧客やクレーム顧客の対応をはじめ、企業向けのカスハラマニュアルの作成や、研修等も行なっております。カスハラやクレームにお困りの場合は、是非ご相談ください。

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